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「Messenger」をプラットフォームに Facebookの製品ファミリー戦略

WeChatやLINEにならう?

 メッセージサービスは多くのサービスが乱立する激戦区だ。FacebookのMessenger強化は当然の動きとも言える。

 例えば、中国で人気を集めている「WeChat」は、タクシー配車、映画館の座席指定など、WeChatをベースとするさまざまな外部サービスが登場しており、これがWeChatの利便性をさらに高めている。日本のLINEもスタンプにとどまらずゲームなどアプリを拡充するプラットフォーム戦略を進めている。

 Facebookによると、Messengerを月1回以上利用するユーザーは6億人。Facebookのユーザーは14億人おり、これはMessengerの最大の優位点となっている。一方、WeChatのユーザー数も4億人を超えており、LINEも4億人の大台に達している。

 しかし、今回のプラットフォーム戦略には懸念の声も出ている。「たくさんの機能があるが、そのどれもが重要ではないという過剰な状態になってしまうリスクがある」(Gartnerの技術コンサルタントBrian Blau氏のBBCへのコメント)といった見方だ。既にFacebookのタイムラインではこうした過剰状態が見られ、「さまざまな人がユーザーの注意を得ようと争っている状態」(Blau氏)という。

 BBCはまた、ビジネス向けを「電子メールのような“筋金入り”で定着した手段を置き換えるようユーザーに呼びかけるもの」で、「野心的な計画」とする。あわせて、Skypeがビジネス向けに顧客とやり取りできるサービスを拡大しようと試みたものの、成功しなかったことに触れている。

(岡田陽子=Infostand)