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OpenStackに賭ける 「Helion」でクラウドを攻略するHP

OpenStackへの賭け

 一方、OpenStackを採用・推進するベンダーは少なくない。Red Hat、Canonical、Suse、Cisco、Mirantis、Rackspaceなどがあり、それぞれが強みをてこにOpenStackクラウドを売り込んでいる。このうちCiscoは3月、今後2年間でクラウド事業に10億ドルを投資して拡大する、と発表したばかりだ。

 そんな中でHPの戦略はどう位置づけられるのだろう。VentureBeatは、ライバルたちが、ハードウェア中心であったり、逆にソフトウェアのみであったり、あるいはIBMのように両方を売っていても独自ディストリビューションを持っていなかったり、とフルセットのラインアップを持ってない点を指摘する。

 その上で、ストレージ、ネットワークなどのハードウェアを持ち、独自ディストリビューションのOpenStackと、プロフェッショナルなサポートを用意するHP Helionの戦略は他社に比べて意味があるものと評価する。451 Researchのアナリスト、Al Sadowski氏は「HPのケースは、彼らの製品・サービスの広範さをあてにしているのだと考えられる」とコメントしている。

 Sadowski氏によると、HP独自の商用版OpenStackディストリビューションは大規模運用に対応しており、1000のサーバに、4万のバーチャルマシンを動せるという。こうしたソリューションは、通信事業者やインターネット・サービスプロバイダーなど大規模なエンタープライズサービスに対応する。

 また、New York Timesのテクノロジーブログbitsも、HPのハードウェアに注目。HPが4月30日、Foxconnと提携してクラウドに最適化したサーバ製品を販売することを発表したのを“大きな動き”と評価している。これも大規模エンタープライズ向けの製品である。

(行宮翔太=Infostand)