OpenStackに賭ける　「Helion」でクラウドを攻略するHP

Helionの推進体制

　HP Helionを主導するのは、オープンソース、クラウド分野のベテランで同社のクラウドプロダクト＆サービス担当シニアバイスプレジデントのBill Hilf氏だ。同氏はMicrosoftでオープンソースプロジェクトとの協業を確立した人物として知られる。Windows Azureのジェネラルマネジャーも務め、昨年夏、Microsoftを辞めてHPに移った。

　GeekWireによると、Helionの本拠地はシアトルのダウンタウンで現在約70人のスタッフがいるという。Hilf氏は今後18カ月のうちに、さらに200人を増員し、MicrosoftやAmazonに対抗する技術集団にしてゆく考えだ。この地には優秀なエンジニアがそろっており、現在、「まるでギャング狩りの警官のように（スタッフを）リクルートしている」（Hilf氏）という。さらにシリコンバレーとテキサス州オースチンにもオフィスを展開する計画だ。

　またHilf氏はHP Helionのラインアップの中で、とりわけユーザー保護プログラムが重要と説明している。「（OpenStack Technology Indemnification Programは）多くのエンタープライズやサービスプロバイダーにとって、かなり大きな補償ポリシーとなる。おまけのようなものでなく、ユーザーが大型エンタープライズベンダーに期待するようなものだ」と述べている。

　ユーザー保護プログラムは10年前、やはりオープンソースのLinuxが標的になった際に、関連ベンダーが採用して効果を上げた先例がある。