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ソフトバンク、AIエージェントを一元管理できるプラットフォームサービス「AGENTIC STAR」を提供

 ソフトバンク株式会社は11日、企業におけるさまざまな業務を支援する法人向けAIエージェントプラットフォームサービス「AGENTIC STAR」を提供開始した。

 AGENTIC STARは、業務ゴールを理解して、担当者と連携しながらタスクを自律的に進めるAIエージェントをSaaSで提供し、その構築・運用も可能にするプラットフォームサービス。部門や既存システムをまたいだAIエージェントを統合的に管理でき、高度な思考が求められる戦略立案や、手間がかかる資料作成などの時間を削減し、人とAIが共に成果を生み出す新しい業務スタイルの実現を後押しする。

 タスクを自律的に遂行するAIエージェントは、あらかじめ構築された形でSaaSとして利用できる。AIエージェントは、ユーザーの指示や、指示の背景にある意図を解釈し、達成すべき業務ゴールを自動で設定して、必要なタスクを自律的に進める。パスワード入力や最終確認など人の対応が必要な場面では、担当者に確認や入力を依頼しながら処理を進められる。

 例えば、検索エンジンなどを用いてインターネット上の業界動向を収集・要約・分析し、その結果をプレゼン資料や提案シナリオにまとめるといった一連の業務を支援する。人と同じように、検索キーワードで情報を探索し、その結果を整理して構造化することで、担当者の作業負荷を軽減する。

 人と同じように多岐にわたるタスクを実行できるよう、AIエージェントが使えるツールも用意している。これにより、ウェブ検索、文書、表計算、プレゼン資料、画像・動画、アプリケーション開発など、多様な成果物を一つのプラットフォームからシームレスに生成できる。用途に応じたツールをAIエージェントが自律的に使い分けることで、完成度の高い成果物を作成し、生産性の向上に貢献する。

 AIエージェントのパフォーマンスを最大限に引き出せるように、チャット単位ごとに独立した仮想環境上でAIエージェントが動作する。これにより、AIエージェントの処理が他のシステムやデータに影響を与えたり、本来アクセス権限のないシステムや外部サービスにアクセスしたりすることを防ぎ、安全な実行環境を確保する。また、企業利用を想定した多層防御と監視・制御(ガードレール:不適切な利用を防ぐ仕組み)により、安全で透明性の高い運用が可能。管理者がアクセス権限に応じた制御やログ管理を行うことで、安心して業務に導入できる。

 過去のやりとりや社内資料などは、企業ごとの長期記憶として安全に蓄積し、AIエージェントが参照できるようにする。使うほど部門や担当者の傾向を踏まえた提案やアクションが可能になり、日々の業務から生まれるノウハウを整理・共有することで、継続的な業務改善と社内の知見の蓄積に貢献する。

 さらに、AGENTIC STARは、AIが既存システムと安全に連携するための公開仕様の一つであるMCP(Model Context Protocol)に対応している。これにより、社内システムや複数のAIエージェントとの統合が容易になり、業務プロセスの自動化や高度化を加速し、変化の激しいビジネス環境における持続的な競争優位の確立をサポートする。

 AGENTIC STARはSaaS型の他にも、用途やシステム環境に応じて選べる複数のサービス提供モデルを用意している。外部接続モデルと開発基盤提供モデルの提供は、2026年3月に開始予定。