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日立、Javaアプリケーション基盤を高信頼化する「uCosminexus Application Runtime」でAI対応を強化した最新版を提供

uCosminexus Application Runtime最新版の特長

 株式会社日立製作所(以下、日立)は10日、エンタープライズアプリケーションをJavaで開発・運用する企業向けに、Webアプリケーション基盤を高信頼化するソリューション「uCosminexus Application Runtime」の最新版を提供開始した。

 uCosminexus Application Runtimeは、Javaアプリケーションの開発・実行基盤のOSSとしてデファクトスタンダードとなっているSpring BootとApache Tomcatの柔軟性やコストメリットを生かしながら、企業システムに必要な高い信頼性を確保する機能と充実したサポートを一体で提供する。これまで、金融・公共・流通・電力など幅広い業種で採用されており、本番適用の迅速化と安定運用の両立に貢献しているという。

 今回の最新版では、JavaによるAIアプリケーション開発・実行を実現するSpring AIに対応した。これにより、AIを活用したアプリケーションにおいても、実行時の入出力処理や外部サービスの呼び出し状況をトレースできるなど、アプリケーションのプロセスの透明性を強化した。また、迅速な障害対応支援や予防保守情報の提供などを通じて安定した運用を実現する。

 Spring AIは、Javaを用いて生成AIやAIエージェントをアプリケーションに組み込み、統一APIによる変化の激しいLLMの切り替えやMCP連携による外部データソースとの安全な接続に加え、セキュリティや非機能要件の実装を効率化できる。uCosminexus Application RuntimeがSpring AIに対応することで、こうした先進的なAI技術の迅速な導入を実現し、エンタープライズアプリケーションに求められる信頼性を強化する。また、OSS処理の入り口と出口で詳細なトレースを取得することで、システム連携時の挙動や結果の妥当性を把握でき、AIアプリケーションの処理の透明性を確保できる。

 さらに、Justware OSSベースと組み合わせることで、設計からテストまでの工程を効率化する。具体的には、Spring AIの利用に必要な設定ファイルとコードを自動生成することで、JavaによるAIアプリケーション開発をスムーズに進められる。

 さらに、動作環境として、従来のLinux系オンプレミスやクラウド、コンテナ環境に加え、Windows ServerおよびAmazon Linux 2023に対応したことで、既存資産を生かした移行やクラウドネイティブへの刷新といったモダナイズにおいても、再構築や大規模なコード変更を必要とせず、移行コストを抑えながら本番適用を迅速化できる。

 uCosminexus Application Runtimeの価格は月額3万7500円(税別)から。