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「継続してVMwareのサポートを受ける権利がある」 AT&TがBroadcomを提訴

契約の「EOA」条項に基づきサポート終了が可能とBroadcomと反論

 VMware製品のライセンス変更については、不満を持つ顧客も少なくない。AT&Tの提訴でBroadcom側の対応が注目されたが、同社は3週間後の9月20日、反対意見書を提出して真っ向から反論した。

 それによると、両社が2007年のエンドユーザーライセンス契約(EULA)締結時から、明確な「EOA(End of Availability=提供終了)」条項が含まれており、VMwareは、その裁量と通知によって製品とサービスを終了することができるとする。さらに「修正契約」はEULAに従う、となっており、EOA条項を覆すものではないと主張している。

 また、AT&Tは、VMwareが2023年12月11日にサブスクリプションに移行することを何年も前から知っており、実際にBroadcomと数カ月間にわたって新しい契約について交渉した経緯があるという。

 ポイントとして挙げたのは、AT&Tのグローバルコミュニケーション&サプライチェーン担当執行バイスプレジデント、Susan Johnson氏が8月19日にBroadcomのCEO、Hock Tan氏に送ったというメールだ。その中でJohnson氏は、AT&TはBroadcomが提案する新しいサブスクリプションに移行する計画はなく、VMwareから(他の技術に)移行すると記しているという。

 反対意見書では「VMwareがAT&Tに提示したサブスクリプション価格は、市場の価格を大きく下回る価格設定だった。そこには、AT&Tが『負う』と主張している『回復不可能な障害』を回避できるサービスも含まれていた」としている。

 つまり、AT&Tは最初からVMwareを継続するつもりはなく、“時間稼ぎ”で移行するまでの間のサポートサービスを求めている、にすぎないとの主張だ。

 また、AT&Tが主張する「いじめ」については、「両社間のこれまでの契約関係、被告(自社)による相互合意による解決に向けた努力、AT&Tが自らこの状況を作ったという重要な文脈を都合よく省略している」とはねつけている。

 「いじめ」や「法外な価格」は、実際には「より簡単な話」から裁判所の注意をそらすことを意図したものだと主張している。