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「継続してVMwareのサポートを受ける権利がある」 AT&TがBroadcomを提訴

サブスクは悪ではないのだが……

 BroadcomがVMwareの買収を完了して、まもなく1年が経過する。この間、Broadcomは製品を「VMware Cloud Foundation」を中心としたソフトウェアバンドルに組み直し、サブスク形式に切り替える作業を進めてきた。しかし、顧客からは反発も出ている。AT&Tの訴訟はそのような顧客の気持ちを代表していると見ることもできそうだ。

 この訴訟について、NAND Researchの創設者兼アナリストSteve McDowell氏は「顧客がベンダーを訴えるのは極めて異例だ」とTech Targetに述べている。さらに「Broadcomは顧客の(VMwareへの)情熱を大きく過小評価したのだろう」とも語っている。

 Everest Groupのバイスプレジデント、Mukesh Ranjan氏はNetwork Worldにこうコメントしている。「サブスクは必ずしも悪というわけではない」が、「Broadcomの場合、ライセンスの選択肢を認めずにバンドルしており、顧客との関係や技術面でのメリットよりも、高い収益を得ようという意図が透けて見える」。また「VMwareからの移行は容易ではない」ことも指摘する。

 Network Worldはこの訴訟を、「AT&Tのインフラの将来に影響を与えるだけでなく、Broadcomが買収したVMware資産の管理方法に対する重要な試金石となる可能性がある」としている。

 また、コンサルタント企業Virtusaの電気通信専門シニアアカウントディレクターNadine Manjaro氏も、Fierce Networkに対し「(この訴訟の影響は)ハードウェアモデルから、サービスとしてのモデルに移行している他のSaaS企業にも及ぶだろう」と述べている。

 9月8日に終了予定だったサポートは10月9日まで継続され、法廷での戦いが開始される予定だ。