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HPEがハイブリッドクラウド管理に次の一手 CMPベンダーのMorpheus Data買収

企業の悩み「ハイブリッドクラウド環境の管理」

 HPEとMorpheus Dataは以前から提携関係にあった。HPEは2017年にインフラ管理の「OneView」でMorpheusを統合。2022年にはアズ・ア・サービスブランド「HPE GreenLake」にMorpheusのCMPを統合している。そこで疑問なのが「なぜわざわざ買収するのか?」だ。

 The Registerは、HPEの広報担当者から次のような回答を得たという。「大まかに言って、買収には2つの目的がある。HPE GreenLakeクラウドでマルチクラウド管理機能を拡張すること。FinOps、セルフサービスプロビジョニング、アプリケーションライフサイクル管理などの補完的機能の統合でロードマップを加速させることだ」

 また、現在提携しているプライベートクラウド以外にも、Morpheusを活用できると説明したという。さらに、例に挙げたFinOpsでは、OpsRampのテレメトリー機能とMorpheusのメータリングツールを組み込むことで、クラウドコストの最適化対策を簡素化できる、とも述べている。

 調査会社Constellation Researchのバイスプレジデントで主席アナリストを務めるAndy Thurai氏は「マルチクラウド/ハイブリッドクラウドの自動化とガバナンスは、エンタープライズITにおいて長い間、やっかいな課題となっている。HPEはこれを解決するという勇敢な動きに出た」と評価。「複数のクラウドを管理するという悪夢」を単純化し、管理・統一する方法を提供するものとしている。

 Silicon ANGLEは、クラウド管理の問題をさらに絞り込んで、「ブラウンフィールド」として説明する。まっさらの状態からインフラを調達しない限り、組織には従来のレガシー環境が残り続けるということだ。

 ブラウンフィールド環境にはクラウドで動作するように統合、変換、更新の必要なレガシーのシステム、アプリケーション、データが含まれているが、MorpheusのFinOpsは、クラウド事業社、事業部門、プロジェクト、アプリケーションなどさまざまな切り口で、支出の可視化や、予算の割り当てができる。

 Silicon ANGLEは「異機種混在のクラウドコンピューティング環境の管理は複雑で、組織はこの課題に直面している。HPEによるMorpheusの買収はここに焦点を当てている」というLopez Researchの創業者Maribel Lopez氏のコメントを紹介する。