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HPEがハイブリッドクラウド管理に次の一手 CMPベンダーのMorpheus Data買収

ハイブリッドクラウド戦略を突き進めるオンプレベンダー

 HPEは2018年にCEOに就任したAntonio Neri氏の下でハイブリッドクラウド戦略を進めてきた。近年の生成AIで、その戦略は加速している。生成AI関連の処理は、全てがクラウドで行われるわけではなく、オンプレ、プライベートクラウドにも役割がある。Neri氏が掲げた「エッジからクラウドまで」というスローガンが生きてきたのだ。

 HPEはNVIDIAとの提携で進めてきた成果を「Nvidia AI Computing by HPE」というブランドで6月に発表した。最初の製品「HPE Private Cloud AI」は、AIに適したプライベートクラウドのターンキーソリューションとなる。

 こうしてプライベートクラウドに活路を見いだそうとする動きは、ライバルDell Tehcnologiesも同じだ。そして、Dell、HPEともにAIが巻き起こすブームの恩恵を受けているようだ。直近の決算では、両社とも総売り上げは前年同期比プラス、AIサーバーの受注が増えていると報告している。

 Morpheus Dataの獲得は、こうした中での動きだ。FinOps機能による「クラウドコストの最適化」は、コンピューティングパワーを激しく消費するAIアプリケーションの運用で、よりいっそう重要度を増すだろう。

 とはいえMorpheusのCMPは、さまざまなアプローチが可能だ。HPEはGreenLakeに引き寄せることができるのだろうか。

 Constellation ResearchのThurai氏は、OpsRamp、GreenLake、特定のAIユースケース向けインフラのサイジング、そしてMorpheusの組み合わせはハイブリッド顧客には大きな価値をもたらす、としながら、「HPEが既存の製品にMorpheusをシームレスに統合できるか」がカギだと指摘する。

 「ハイブリッドクラウド管理は活気ある分野になっている」とThurai氏。「クラウド戦争はまだまだ終わらない」