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分散型でハイパースケーラーに挑戦 Akamaiがクラウド分野に本格展開

分散型により低遅延でアプリをエンドユーザーに

 AkamaiといえばCDNの代名詞だ。世界にキャッシュサーバーを配置し、そこから配信することで、顧客企業はユーザーに優れたコンテンツ体験を提供できる。1998年創業の同社はこの分野を20年以上手がけてきた。低遅延の求められるサービス、例えばNetflixなどが顧客として知られている。

 そのAkamaiのGecko/Akamai Connected Cloudを実現可能にしたのは、2022年に約9億ドルで買収したLinodeだ。LinodeはIaaSで、11の”コアサイト”とするデータセンター(コロケーション)を持つ。Geckoローンチに向けAkamaiは新たに13のコアサイトを用意する。

 Akamaiの共同創業者兼CEOのTom Leighton氏は「われわれはクラウドコンピューティングに対し、根本的に異なるアプローチをとる」「次の10年が必要とするクラウドを構築しているのだ」と、Linode買収1年後の昨年2月、Tech Crunchに語っている。

 CDNと同様、分散によるメリットは低遅延や性能だ。これによって、アプリケーションのエンドユーザーに優れた体験を提供できると説明。「われわれの次の進化はここにある」(プロダクトマネジメント担当バイスプレジデントのShawn Michels氏)としていた。

 Geckoが適するアプリケーションとしては、AI推論、マルチプレイヤー型ゲーム、ソーシャル/ストリーミングメディアなどを挙げている。将来のユースケースとして、没入型小売、空間コンピューティング、データ分析、消費者と産業用IoTなども考えられるという。