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続く混乱、代替ソリューションも活発化 VMwareは「上手にメッセージを出すべきだった」との声も

 VMware by Broadcomの製品再編の混乱は続き、パートナーからは、継続してVMwareを販売できるかどうか分からないという悲鳴も上がる。また、VMwareと親密な関係にあったDell Technologiesは再販での提携を終了。代替製品をアピールするベンダーの動きも活発だ。

DellはVMwareの販売契約を終了

 DellとVMwareは、親会社と子会社の関係にあった。Dellは2015年、VMwareを傘下に持つEMCを当時のIT業界最大規模の670億ドルで買収すると発表(完了は2016年)。その資産のなかで、VMwareは”宝”とされていた。

 両社はハイパーコンバージドの「Dell VxRail」を共同開発するなど緊密に連携していたが、Dellは債務返済のため2021年11月にVMwareをスピンオフする。これをBroadcomが買収した。

 そのスピンオフの際、DellとVMwareが交わした契約がある。VMwareが独立企業となった後も、DellがVMware製品、サービスの販売を継続できるもので、「Commercial Framework Agreement」と呼ばれた。

 1月、Dellがこの契約の終了をBroadcomに通知したことが、米証券取引所(SEC)に提出した書類から明らかになった。これによってDellはVMware製品の販売を終了する。契約の中にある「どちらかの企業の支配権が変更された場合、いずれの当事者もこの契約を解除できる」という文言に基づくものだ。

 The Registerは「DellとVMwareの協力関係は、顧客にとっては引き続き有益なものだった」と指摘。この動きを「Broadcomが、DellなどのメーカーにVMware製品のライセンス再販を認めなくなった」ためとみている。

 DellとVMwareとの提携が終了すると、顧客は製品を別々に購入しなければならない。これは「収益機会を失うOEMにも、ハードウェアにバンドルされたライセンス購入を好む顧客にも、良くは思われていない」(The Register)という。