Infostand海外ITトピックス

モバイル分野のAIで先手打つGoogle SamsungのAI搭載スマホ発表

「最高の組み合わせ」のGoogleとSamsung

 Galax AIを実現しているのは、GoogleのAI技術だ。Googleが機械学習プラットフォーム「Vertex AI」で提供する「Gemini Pro」(GoogleのDeepMindが開発したマルチモーダル生成AIモデル)と「Imagen 2」(テキストから画像を生成する拡散AIモデル)を利用する。

 Google Cloudは同日、プレスリリースを出して「Gemini ProとImagen 2をスマートフォンデバイスに搭載した初のGoogle Cloudパートナー」とSamsungをたたえた。

 Geminiは、サイズと性能が異なる3種類が用意されており、性能が高い順に「Gemini Ultra」「Gemini Pro」「Gemini Nano」となる。2023年末にGoogleが発表した自社スマートフォン「Pixel 8 Pro」にはGemini Nanoが搭載されている。

 GoogleとSamsungは、Androidで古くから提携関係にある。生成AIモデルの選択肢がいくつかある中、Googleと手を組むのは自然のように見える。

 「双方にとって最高の組み合わせ」と、Constellation researchの主席アナリスト、Andy Thurai氏はSiliconAngleに語っている。2023年通年でAppleにトップの座を譲ったものの、Samsungは世界市場で20%近くのシェアを持つ大手だ。Pixelでは一応競合はするが、Googleの規模は小さい。

 逆にGoogleにとっては、モバイル領域での生成AIで大きな足がかりとなる。Samsungにしてみれば、トップを争う宿敵Appleとの差別化を図ることができる。