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インフラサービス戦略でネットワークを中核に HPEのJuniper買収

 Hewlett Packard Enterprise(HPE)がネットワーク機器大手のJuniper Networksを買収すると正式発表した。買収額は140億ドル。「エッジからクラウドまでのサービス」へのシフトを進めているHPEにとって、Juniperの買収は何を意味するのだろう――。

「ネットワーク業界を作り変える」

 HPEとJuniperは1月10日、HPEがJuniperを買収することで合意したと発表した。買収金額は、Juniperの前日の終値に約30%のプレミアムをつけた1株あたり40ドルで、計約140億ドル。買収額はHPEとしては過去最高となり、現金で支払う。

 年明け早々の大型取引の発表だ。ネットワーク分野では、JuniperのライバルCisco Systemsが、ログ管理やオブザーバビリティを開発するSplunkを280億ドルで買収すると2022年に発表している。

 HPEはサーバー、ストレージなどのエンタープライズ向けハードウェアを扱う企業として2015年にHewlett Packardから分社化した。現在は「HPE GreenLake」としてサービスとして提供するポートフォリオを構築中だ。ここで、なぜネットワークなのか。

 HPEを率いるCEO、Antonio Neri氏は、Bloombergのインタビューで、「両社の補完的な技術を持ち寄ることで、ネットワーク業界を作り変える。われわれはAIが代表する変曲点のトレンドを捉える」と述べている。

 発表を受け、Juniperの株価は約20%上昇したが、HPEの株価は約7%下落した。