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インフラサービス戦略でネットワークを中核に HPEのJuniper買収

Aruba買収で構築したネットワーク事業が最成長分野に

 HPEは分社にあたって、いくつかの事業を切り離して、クラウド時代向けのポートフォリオを構築してきた。Neri氏は、製品戦略を練って矢面に立ちながら分社を進めたMeg Whitman氏の退任後に、CEOに就任した。

 そんな中で買収したのがAruba Networksだ。当時ArubaはWi-Fiアクセスポイントで知られていたが、HPE傘下入り後にスイッチなど製品を拡充。ネットワーク分野で存在感を増していった。

 Forbesによると、「現在ArubaはHPEのポートフォリオの中で最も急速に成長している」という。HPE Arubaの売り上げは約50億ドル。買収時に17億ドルだったことを考えると、事業規模を8年で3倍にしたことになる。

 Arubaだけではない。Aruba以前(2010年)にも3Comを買収しているが、その後も、ソフトウェア定義ネットワークのPlexxi、SD-WANのSilver Peak、クラウドネイティブセキュリティ/ゼロトラストのScytale、Zerto、プライベート5GのAthonet、SASE(Secure Access service Edge)のAxisなど、ネットワーク/ネットワークセキュリティ分野の企業を多数買収している。そう、HPEはネットワーク事業を育てているのだ。

 これに、Juniperの売上高である約60億ドルを単純に加えると、HPEのネットワーキング事業は110億ドル規模になる。

 一方のJuniperは、ドットコム時代をCiscoとともに支え「信頼できる第2の供給源」(Forbesの記事)として存在してきた。JuniperはHPEに何をもたらすのか? Neri氏はJuniperの「Mist」を挙げる。MistはAIを活用したネットワーク環境の可視化と運用のための技術だ。Neri氏はその革新性を「AIドリブンの破壊」と表現する。