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「生成AIブームは継続、DXはデジタル・ビジネスに」 2024年のITトレンド

 2023年は生成AIが脚光を浴びた。生成AIは単なるブームというより長期的で革新的なものと捉えられており、今年もその勢いは続くとみて良さそうだ。クラウド、DXなど2024年のテクノロジートレンドを専門家はどうみているのだろう――。

「AI As-A-Service」ーー生成AIの民主化

 2023年が「ChatGPTを使ってみた」という研究者や個人レベルの実験的な動きが主流だったのに対し、2024年は企業での利用が本格化する年になりそうだ。

 Gartnerは、2024年の「戦略的テクノロジートレンド10」の中にAI関連項目として、「生成AIの民主化」、AIが組み込まれた「インテリジェント・アプリケーション」、開発にAIを取り込む「AIで拡張された開発」、AIの信頼性/リスク/セキュリティ・マネジメント「AI TRiSM」を入れている。

 中でも生成AIの民主化では、「2026年までに企業の80%以上が生成AIのAPIとモデルを使用し、本番環境で生成AIのアプリケーションを展開するようになる」との予想を出している。2023年は5%以下だったので、急拡大となる。

 IDCも「AI Everywhere」として、「AIが広がり、新しいデジタル・ビジネスを加速する」と予想する。「予測的なAI、マシンビジョン、生成AIの組み合わせと、デジタルエコシステムを通じたオンデマンドサービスをプロビジョニングが新しい局面を迎える」という。

 AIをはじめとする技術分野の専門家で、「Artificial Intelligence in Practice」という著書を2019年に上梓しているBernard Marr氏は「2024年の10大クラウドコンピューティングのトレンド」というタイトルでForbesに寄稿している。

 その中でMarr氏は、「AI As-A-Service」を挙げる。「AIは経済的、社会的利益を生み出すと期待されているが、クラウドインフラはそれだけでなく、多くの人が利用できるようにするという点で重要な役割を果たす」と述べ。「クラウドプラットフォームを通じてAI As-A-Serviceにアクセスして、AIという強力かつ変革的なテクノロジーを利用するだろう」と予想する。

 Marr氏の提案する「AI As-A-Service」がどこまで普及するかは分からないが、自然な流れだろう。