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セキュリティの「Copilot」発表 AIを急ピッチに展開するMicrosoft

 Microsoftが、製品へのAIの取り込みを急ピッチで進めている。「全ての製品にAIを搭載する」と宣言し、検索の「Bing」から始め、「Microsoft 365」への統合を発表した。これら一連の動きの最新のものがセキュリティの「Microsoft Security Copilot」だ。急ピッチな展開は巨大企業らしくないスピード感で、同時にマネタイズもぬかりがないようだ。

対話型AIでセキュリティ管理を

 「サイバーディフェンス(防衛)にAIのパワーを」。Microsoftは3月28日、Security Copilotを発表した。OpenAIの大規模言語モデル「GPT-4」をベースにMicrosoft独自のセキュリティモデルを組み合わせたもので、「わが社のすべてのセキュリティインシデントを教えて」「脆弱性のサマリを作成」などの指示にチャット形式で応答する。

 システムの背後では、Microsoftが収集している1日あたり65兆の脅威の兆候など脅威インテリジェンス情報、またセキュリティ固有のスキルが動いている。Microsoftのモデルは、100以上の異なるデータソースから情報を得ているという。

 また、対話型インターフェイスで、ファイル、URL、コードスニペットを送って分析したり、他のセキュリティツールからインシデント情報を得ることもできる。プロンプトと回答は保存されるため、監査証跡になる。

 これによって、セキュリティ担当者はインシデントの調査を効率化し、レポートを利用してチーム間での協業を改善できるとしている。具体的には、Security Copilotに特定の進行中の調査についてインシデントレスポンスレポートを作成させて、より詳細な質問をする。レポートのまとめ方や表示を変更しながら作業を進める、といったことができるという。