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成長急いだSalesforce アクティビスト投資家のターゲットに

複数のアクティビストがSalesforceに参画

 経営面の問題を抱えるSalesforceに対して、Elliottがどんな注文をつけるのかが目下の注目の的だ。

 Insiderは「Salesforceはあまりに長く“帝国建設”モードにあったが、いまはコア市場の機会にフォーカスすべきだ」とのRBCのアナリストの意見を紹介。Slackの売却やスピンオフを迫る可能性があると予想する。

 ただし、Slackをいまの株価で売却すると、買収時との価格差から「数十億ドルの損失」を出すことになる。

 そんな中、1月26日付のWall Street Journalは、Salesforceに送り込む取締役の選任をElliottが進めていると報じた。自分たちの意図を通す取締役を送り込み、本格的に介入するための準備ととれる。取締役選任議案の提出期間は2月12日から3月14日までだ。

 これに対して翌1月27日、Salesforce側は3人の新しい取締役候補を指名した。Elliotの動きに対抗するものとみられる。

 3人のメンバーは、MastercardのCFOのSachin Mehra氏、クルーズ船Carnivalの元プレジデント兼CEOのArnold Donald氏、そしてヘッジファンドValueAct CapitalのCEO兼最高投資責任者のMason Morfit氏だ。このValueActもアクティビストとして知られる。

 つまりアクティビストからの防御のため、別のアクティビストの協力を頼んだという格好だ。

 TechCrunchは、Elliot以前に、ValueActやStarboard Value、Inclusive Capitalといった別のアクティビストが既にSalesforce株を取得していたことを指摘する。それぞれが思惑を持ってSalesforceに参画している。

 このためElliotの要求がどのようなものであっても、またその成否がどうなっても、Benioff氏がこれまでのように自由に采配することは難しくなりそうだ。