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インドがモバイルOS「BharOS」発表 Googleのライセンスモデル変更と同時

 インド国産のモバイルOS「BharOS」が発表された。AndroidとiOSが独占する市場に打って出るが、狙いはインドの独立性強化。Narendra Modi首相が打ち出す「自立したインド」の一環となる。同時に独禁批判を受けたGoogleが、同国にAndroidのライセンスで譲歩を余儀なくされた結果でもあるようだ。

“インドのOS”「BharOS」

 「本日、われわれは独創的で安全なモバイルOSを発表する」。1月19日、教育省および技能開発・起業促進省大臣のDharmendra Pradhan氏らが出席して、新しいモバイルOS「BharOS」が発表された。

 開発したのはインド工科大学(IIT)マドラス校のインキュベーションプロジェクト「JandK Operations Private Limited(JandKops)」だ。JandKopsはインド科学技術省が進める「学際サイバーフィジカルシステムに関する国家ミッション(NMICPS)」の下、出資を受けている。

 Pradhan氏がTwitterに投稿した発表会見の動画では、BharOSを搭載した携帯電話でビデオ通話をデモ。“絵に描いた餅”でなく、既に使えることをアピールした。

 プレスリリースは「BharOSによってインドの10億人のモバイルユーザーがメリットを享受できるだろう」と述べている。名称は、ヒンディー語でインドを意味する「Bharat」から取っている。

 人口で中国を抜いたインドは、世界トップのモバイル大国でもある。携帯電話普及率は約9割で、スマートフォンは6億台を超える。スマホ出荷台数は2022年第3四半期で約4500万台(Counterpoint Research調べ)と世界の2割近くを占める。新型コロナの影響で初の前期比減だったが、強い成長が続いている。

 また同四半期の生産台数は5200万台超(同)で、インドはスマホ輸出国でもある。最近では、米中関係の緊張からAppleがiPhoneの製造をインドに移転するなど製造拠点としても注目を集めている。