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Twitter側が一転して受け入れ Elon Musk氏の買収提案

「Teslaは中国に依存している」

 一方で、買収は結局のところ頓挫するだろうとの見方も、あちこちから出るようになった。Reutersは4月28日付のオピニオン記事で、立ちはだかる問題を挙げている。

 大きなものが中国だ。Teslaの最大の工場は北京にあり、生産の半分が中国で行われている。TeslaのCEOとして見たとき、Musk氏にとって中国は重要な国だ。一方で、Twitterは中国ではアクセスできない。ましてやMusk氏が言う「言論の自由」は中国政府が好まない言葉だ。

 Wall Street Journalは「Musk氏は中国に対して称賛を惜しまない」と両者の関係を指摘。「中国政府がMusk氏に圧力をかける機会が増えるだろう」(オーストラリア戦略政策研究所のシニアアナリスト、Fergus Ryan氏)とのコメントを紹介する。

 Amazon創業者のJeff Bezos氏は「Twitterの検閲よりも、Teslaにとっては中国での複雑性が増す方が大きい」というツイートしている。

 もし、買収が取りやめになったら、Musk氏は契約不履行で10億ドルを払わねばならない。撤退も簡単ではない。

 買収受け入れが発表された日の午後、TwitterのCEOを務めるParag Agrawal氏は社内ミーティングで、現時点では従業員解雇などの予定はなく、買収が完了するまでの優先順位は変わらないとしながら、こう述べたという。「会社がどのような方向に進むのかはわからない」