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Twitter側が一転して受け入れ Elon Musk氏の買収提案

ソーシャルメディアの方向性に影響

 当初、Musk氏は「買収できるか分からないが」と控えめに述べたが、いまや、Twitterはその手中に入ろうとしている。可能にしたのは資金力だ。

 ただ世界一の大富豪といえども、440億ドルの現金を動かすのは簡単ではない。Wall Street Journalの詳細分析によると、半分の210億ドルはMusk氏の個人資産。130億ドルはバイアウトローン。残る125億ドルはTesla株を担保としたローンを組むという。

 出資者にはMorgan Stanley、Bank of America、Barclaysなどと共に、三菱UFJフィナンシャルグループの名前もある。またCNBCなどによると、Musk氏は28日までに128億ドル相当のTesla株式を売却している。

 そして焦点は、非公開企業となるTwitterが、どういう方向に進むかに移っている。

 “言論の自由絶対主義者”を自認するMusk氏は、アルゴリズムのオープン化、編集ボタンの設置、有害コンテンツ対策の軽減などを示唆している。

 有害コンテンツ対策は、Twitterがこの10年、苦労しながらつくりあげてきた。それを覆すというMusk氏に対しては、少なからぬ懸念の声が上がっている。だが、本人は27日にも「言論の自由を恐れる者の極端な反応が全てを物語っている」とツイートするなど動じる気配はない。

 Musk氏の「言論の自由」が誰も排斥しないというポリシーなら、2021年1月にアカウントを永久凍結されたDonald Trump氏の復活の可能性も高くなる。

 Meta(Facebook)が内部告発で揺れる中、ソーシャルネットワークサービスという分野そのものが岐路に立たされている。Musk氏の方向性が「ソーシャルメディアの方向性に影響をもたらすだろう」(Wall Street Journal)といい、テクノロジーやビジネス業界だけでなく、世界が注目している。