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Googleが国防総省の次期クラウド入札参加へ 再び従業員からの懸念も

AIガイドラインはできたが……

 JWCCをはじめとする防衛部門の契約は、メガクラウドにとっても、とてつもなく大きい。

 GoogleのAI原則では「武器利用のためのAI開発を行うことはない」としているが、同時に「それ以外の領域において各国政府機関や軍事・防衛に関わる組織との協力はこれまで通り継続する」とも述べている。

 Kurian氏はブログで、DoDは300万人を雇用する世界でも最大級の雇用主であり、「JWCCは28の主要な機関、複数の組織構成部、その下の組織が参加する調達フレームワークである」と述べている。

 軍用技術の利用を専門とする英ランカスター大学のLucy Suchman教授は、巨額であることを考えると、GoogleがAI原則で誓うコミットが揺らいだとしても驚きではないとNew York Timesにコメントしている。

 他方、発注側のDoDも環境の整備を進めている。新しい商用技術の採用を支援する部門「Defense Innovation Unit(DIU)」は11月15日、「責任あるAIガイドライン」を発表したところだ。

 「AIソフトウェア開発の各段階における実行可能なガイドライン」で、「DoDや、率直に言って米政府内でも、ここまで詳細に書かれたガイドラインは他にない」(共著者のBryce Goodman氏)と胸を張る。

 この動きを伝えたMIT Technology Reviewは、「禁止すべきテクノロジーである致死性の自律兵器の使用については何も言及していない」と指摘。Goodman氏に疑問をぶつけている。

 Goodman氏はこれに対し、「そうした技術の規制は、より上位の段階で決められることだ。ガイドラインの目的は前段のAIを簡単に構築できるようにすること」と答えている。

 つまり、新しいガイドライン自体が、AI殺傷兵器の開発を規制するものではない、ということになる。会社とGooglerのと議論は、まだまだ続きそうだ。

 Googleの親会社Alphabetの労組は「DoDのモダン化を支援する」というKurian氏の言葉を報じたCNBCの記事に対し、「Google、われわれは戦争をモダン化しない」とツイートしている。