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“ニッチ”なCPaaS市場を狙う EricssonのVonage買収

 通信機器大手のEricssonが、コミュニケーション・プラットフォームのVonageを約62億ドルで買収すると発表した。株主や規制当局の承認が必要だが、実現すれば、Ericssonの145年の歴史の中でも最大の買収となる。その額と、無線エンタープライズへの力に入れようにアナリストからは困惑の声も出ている。Ericsson目指しているのは――。

5G成長の中での意外な方向転換

 「ワイヤレスエンタープライズに拡大する」。CEO兼プレジデントのBörje Ekholm氏は、こうプレスリリースの中で宣言している。「Vonageによって、Ericssonの顧客はネットワークへの投資をマネタイズでき、開発者と企業にメリットをもたらす」(Ekholm氏)という説明だ。

 Vonageは2001年、“ドットコムバブル”の終わりに登場し、音声データ通信のVoIPで知られた企業だ。2006年にIPOを果たしたが、スマートフォンの普及に押されて低迷。1株17ドルで公開した株価は、リーマンショック後の2009年には0.3ドル代まで下落した。

 同社はその後、2013年から法人向けビジネスにシフトし、買収を経て「ユニファイドコミュニケーション」「コンタクトセンター」「コミュニケーションAPI」の3分野の事業を展開している。2200人の従業員を抱え、直近の売上高は12億5000万ドルに達する。

 Ekholm氏は「(買収は)業界をリードするモバイルネットワークを構築するという戦略的優先事項を実現する次のステップになる」と述べている。

 しかし、「多くのアナリストは、この買収にとまどっている」とSDxCentralは伝える。

 RAN(無線アクセスネットワーク)ベンダーのEricssonが、このタイミングで、無線エンタープライズ市場への進出を強化するという点を挙げ、「不釣り合い」「通信事業者とともに、機器メーカーも高成長を期待できる中で意外な方向転換」などの声を紹介している。