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Googleが国防総省の次期クラウド入札参加へ 再び従業員からの懸念も

社内の懸念にKurian氏が説得

 Kurian氏が正式な参加宣言をするのきっかけとなったのは、11月3日付のNew York Timesの報道だったようだ。同紙は、Google Cloud内部で、DoDへのプレゼンに向けた準備が進められていると報じた。優先順位の高い「Code Yellow」(緊急動員)として、他のチームからの人材も集めていたという。

 翌週11月12日に開催された「TGIF」と呼ばれるGoogleの全社ミーティングでは、JWCCに関する質問への回答を求めた社員が1000人に達したという。

 CNBCは、ミーティングの音声を入手して様子を伝えている。その中で司会役のPichai氏が、New York Timesの記事を参照しながら、「(GoogleがDoDのプロジェクトに参加するのは)何が変わったのか? なぜOKなのか?」という質問を読み上げた。

 これに対し、Kurian氏は「ベンダーの1社に選ばれたら、DoDと協力して業務の近代化を支援できることを誇りに思う」「AI原則に抵触することなく、Googleの製品とGoogleの専門知識が役に立つ分野がある」と答えた。CNBCによると、「原稿を読み上げているような口調」だったという。

 Kurian氏は同時に、「全てのGoogler(Google従業員)が(応札の)判断に合意してくれないということもわかっている」と反対意見への理解を示した。

 CNBCは「Pichai氏とKurian氏は、デリケートな問題に取り組んでいる。クラウド部門を強化しながら、政治的な主張をする従業員をなだめなければならないのだ」と指摘。「共同創業者のSergey Brin氏とLarry Page氏が2019年に役員を退任したあと、かつては理想主義で知られた同社のカルチャーは劇的に変わった」と解説している。