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SAPジャパン、AIエージェント「Joule」のSAP Signavioソリューション上での一般提供を開始

 SAPジャパン株式会社は3日、「SAP Signavio」ソリューション上で、AIソリューション「Joule」の一般提供を開始した。これによりユーザーは、自然言語によるビジネスプロセスの分析や管理が可能になる。

 Jouleは、サイロ化されたデータとタスクを、インテリジェントに連携されたワークフローに変換することで、意思決定の改善、エンドツーエンドプロセスの高速化、SAPシステムと非SAPシステムを横断する統一されたAIエクスペリエンスの創出を支援するAIソリューション。SAPのビジネスプロセスの専門知識を基盤とするAIエージェントをすべてのコア機能に導入することで、AI戦略をより迅速かつ広範に拡大できる。

 SAPでは、JouleとSAP Signavioを組み合わせる最大のメリットは、SAP Signavioが持つ深いプロセスコンテキストと、SAP S/4HANA、SAP Business Technology Platform(SAP BTP)、SAP SuccessFactorsソリューションなどを含むSAPアプリケーション間の強力なオーケストレーションの融合だと説明する。今回の提供開始は、SAP Signavioソリューションを用いたプロセスの探索、理解、管理、変革をかつてないほど容易にする対話型エクスペリエンスの実現に向けた大きな一歩になるとしている。

 例えば、SAP Signavio Process Collaboration Hubにアクセスして、「(受注から入金までの)オーダートゥキャッシュ」といった特定プロセスについて詳しく調べようとする場合、従来は何時間も費やしていた調査が、今回のJoule対応によって、シンプルな対話を通じて数分で完了できるようになった。

 Jouleに対して「オーダートゥキャッシュプロセスのオーナーは誰ですか?」と問いかけると、Jouleはその問いに最も合致するプロセスを特定し、プロセス図の属性情報からオーナー情報を引き出す。続けて「プロセスフローについて説明して」と問いかけると、Jouleスキルがプロセス図を分かりやすい説明文へと変換する。さらに踏み込んで、例えば地域ごとのプロセス実行状況の違いを比較することもできる。Jouleに尋ねるだけで、Jouleスキルが比較対象の2つのプロセスモデル間の主な相違点を要約したテキストを提示する。

 Jouleは、SAPシステムと非SAPシステムを横断して連携するユーザーエクスペリエンスを提供する。従業員は、どこからでもJouleへの質問やJouleとの対話を行える。SAP Signavioでの作業中に他のシステムのデータや機能を利用することも、他のシステムからSAP Signavioの機能にアクセスすることもできるようになる。

 SAP SignavioソリューションのJoule対応は、「情報提供」「ナビゲーション」「トランザクション」の3つのユースケースにわたるスキルを提供する。さらに、将来のリリースでは分析機能の追加も計画されている。

 情報提供のユースケースでは、Jouleはインテリジェントアシスタントとして機能し、ユーザーが特定のタスクの実行方法を理解したり、プロセス間比較をテキストで生成したりするのに役立つ。例えば、ドラフト版と公開済みモデルの違いを尋ねたり、ダッシュボードのセットアップ方法を確認したりできる。

 ナビゲーションのユースケースでは、JouleはSAP Signavioソリューション全体のコンテンツ探索を簡素化し、SAP Signavio Process Collaboration Hubを通じて、プロセスモデルやジャーニーモデル、バリューアクセラレーターといった各種資産へのアクセスをガイドする。「公開されているオーダートゥキャッシュプロセスを開いて」や「財務プロセスのアクセラレーターを探して」といった指示を出すだけで、目的の場所にたどり着くことができる。

 トランザクションのユースケースでは、Jouleは対話を通じてアクションを実行することを可能にする。SAP Signavio Process Transformation Suite内で、プロセス、ジャーニーモデル、ディクショナリ項目などの資産を作成・削除できる。例えば、「新しいディクショナリ用語を作成して返品プロセスにリンクさせる」といった操作や、「販売プロセスという名前のジャーニーモデルを削除する」といった指示も、会話形式で行える。

 現在Jouleは、SAPアプリケーション全体でプロセスコンパニオンとして機能している。ユーザーは、SAP S/4HANA、SAP SuccessFactors、SAP BTPをはじめとするJoule対応のあらゆるアプリケーションから、SAP Signavioのプロセスコンテキストやインテリジェンスにアクセスできる。

 SAPはさらに、SAPが持つプロセスの専門知識を活用することで、複雑なワークフローを自動化し、AIの価値を大規模に提供するJoule Agentsの開発を進めている。Joule Agentsはあらゆるビジネス機能に組み込まれ、役割ベースのアシスタントを介してアクセスできるエージェント群であり、SAP Signavioソリューション向けのJoule Agentsは、コンテンツの探索やプロセス分析の加速、バリューケースの作成、ユーザーのオンボーディングの強化に役立つとしている。