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VMwareが独立公開会社に 「マルチクラウドのスイス目指す」

 VMwareが、いよいよ11月1日、Dell Technologiesからスピンオフする。Pat Gelsinger氏に代わって2月にCEOに就任したRaghu Raghuram氏が指揮をとっての新たなスタートだ。コンテナやKubernetesなどの潮流の中で、どう展開してゆくのかが注目されている。

Dellは支配権を維持しながら約93億ドル以上を獲得

 VMwareがDellの傘下となったのは2016年のこと。1998年創業のVMwareは2003年にEMCに買収され、そのEMCが買収されたことでDellグループに入った。仮想化で押しも押されもせぬ地位にあるVMwareはDellにとって“宝”と言われてきた。

 だが、670億ドルというEMC買収額の負担は大きい。その債務を返済し、格付けを高めるため、5年たった今年4月、VMwareをスピンオフして独立した公開会社にすると発表した。

 DellはVMware株の81%を保有しており、スピンオフによって約93億から97億ドルを得る。その後も株式の42%を保有し、最大株主の座を維持する。また、DellとEMC買収にも関与したプライベートエクイティのSilver Lake Partnersも株式の11%を保有。両者を合わせた比率は53%と過半数になる仕掛けだ。

 Dell TechnologiesのCEO、Michael Dell氏もVMwareの会長職を継続する。

 また、VMwareとDell Technologiesは、テクノロジーと営業のシナジーを継続させるため、5年間の商業協定を結んだことも発表している。その中には、VMwareの新技術はまずDellに提供することなども含まれているという。

 Dellは年次イベント「VMworld」の後にメディア向けに開催した「Dell Technologies Summit」で、VMwareとは「HCI(ハイパーコンバージドインフラ)の『VxRail』などで共同開発をしてきた。これは今後も変わらない」と説明している。