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激震の最中に追い打ちの惨事 Facebookの大規模障害

経済面でも大きな影響

 障害のタイミングはこの上なく悪かった。Wall Street Journalの一連の暴露報道で、Facebookへの注目はピークに達し、同紙に内部資料を提供した元社員、Frances Haugen氏が3日、CBSの人気番組「60 Minutes」に出演したばかりだ。

 プロダクトマネージャーだったHaugen氏は、同社がユーザーのプライバシーよりも利益を優先させていると告発。SNS企業を監督する機関の設置を提言した。さらに翌5日は、上院委員会公聴会で証言する予定だった。

 障害の原因が、この内部告発に刺激されたハッキングである可能性も取り沙汰されたが、Business Insiderは「偶然だろう」とのセキュリティ専門家の見解を紹介している。なお、専門家らによると、外部の者が大規模障害を起こすことは、「理論上は可能」という。

 いずれにしてもFacebookにとって最悪の日となった。企業の評判だけでなく、数字をみると、さらに重大さがわかる。

 Fortuneは、直近の四半期の業績からFacebookの1時間あたりの売り上げを1330万ドルと弾き、障害による損失は約9975万ドルと推計している。株価は4.9%下落し、共同創業者兼CEO、Mark Zuckerberg氏の資産は60億ドル以上減った。

 サービス障害が経済に与える影響を算出するNetBlocksによると、Facebook、WhatsApp、Instagram、Messengerが1時間ダウンすると世界経済に約1億6000万ドルの損失をもたらすという。