Infostand海外ITトピックス

激震の最中に追い打ちの惨事 Facebookの大規模障害

ライバルには新ユーザーが殺到

 Facebookプラットフォームの経済的な影響力の大きさは、米国で進むFacebook解体論、欧州で進む広告における独禁法違反調査に拍車をかけそうだ。

 欧州委員会(EC)で競争政策を担当する上級副委員長のMargrethe Vestager氏は、Twitterで「テック市場には代替と選択肢が必要だ。一握りの大手プレーヤーに依存すべきではない」と述べ、提案中のプラットフォーム企業規制法案「Digital Market Act(DMA)」の必要性を強調した。

 DMAは、検索サービス、SNS、OS、広告などの分野で一定規模の売り上げなどの条件を満たした大手企業を「ゲートキーパー」として、規制を課すことを目指している。

 一方、多くのユーザーは(一時的かもしれないが)代替サービスに向かった。

 WhatsAppやMessengerと競合するメッセージサービスTelegramのCEO、Pavel Durov氏は、1日で7000万人のユーザーを新規獲得した、と自身のTelegramで報告している。別のメッセンジャーSignalも障害が発生した日に「数百万人」が加わったとTwitterで報告した。まさに「棚からぼたもち」だったようだ。

 Twitterは障害発生の日に「ハロー、文字通り みなさん」と、新しいユーザーを迎えるかのような意味深なツイートを発している。

 Zuckerberg氏は6日、社内向けに送った長いメッセージを自身のFacebookで公開した。多くの部分は内部告発への反論だったが、障害についても言及している。

 「過去数年間で最悪の障害だった。この24時間、障害に対してどのようにシステムを強化できるかについて話し合った」「どのぐらいの人々が競合サービスに移行したか、どのぐらい損失があったかよりも、愛する人とのやりとり、ビジネス、コミュニティのサポートで、われわれのサービスに依存する人にとって、どれほど大変だったのかの方を心配している」