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進むAIの軍事利用 その後の「Project Maven」

SNSや携帯電話位置情報とも連携

 MicrosoftとAWSは具体的にどのような技術を提供したのだろう――。

 Poulson氏が見つけた情報によると、Microsoftは毎秒30フレームで映像を表示する「フルモーションビデオ(FMV)」の分析ツール、および「Wide Area Motion Imagery(WAMI)データの分析を自動化して収集するソフトウェアとアルゴリズム」を提供する。

 また、AWSは「フルモーションビデオ(FMV)」と赤外線データのための「対象物検出と分類のモデル」を担当するという。

 両社のほか、IBMも「AIを組み合わせた構造的因果モデル」で受注していた。IBMは、Forbesの取材に「既にプロジェクトの支援は終了した」とコメントしている。

 Poulson氏は、Project Mavenの内容自体にも新しい発見があったと報告している。空撮映像だけでなく、「ソーシャルメディアや携帯電話の位置情報の監視とも連携していた」ことだ。

 これらを組み合わせて、軍のオペレーターは特定の地域の政治情勢を知ることができる。この組み合わせは重要だという。情報は集約され、監視に利用される。

 また、Poulson氏は、元Google CEOのEric Schmidt氏とProject Mavenとの関係にも言及。Googleの撤退後もプロジェクトで重要な役割を果たしているRebellion DefenseとOrbital Insightの2社は、Schmidt氏の支援を受けていると指摘している。