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動き出すLibra ただし、もうLibraではない

メッセンジャー決済の重みが増す

 こうした前段があっての今回のDiem改称だが、これで立ち上げのメドは立った模様だ。改称の発表に先立つ11月27日、Financial Timesが「FacebookのLibraは、限られた形ながら、来年にもローンチする」と報じた。

 事情に詳しい関係者3人の話を元にしたもので、金融システムを監督するFINMAへの申請が来年1月にもパスしそうだという見通しを伝えた。ただし、発行されるのは、ドルのみを裏付けとしたコインで、ホワイトペーパー2.0の時より、さらにダウングレードするとしている。

 協会のLevey氏はDiemの発表時、「(Libraの名称は、規制当局に受け入れ難いプロジェクトに強く結びついていたが)われわれは提案を劇的に変えた」とReutersに語っている。

 一方、Facebook内では並行して、メッセンジャーを使った決済サービスを強化している。昨年11月にFacebookと傘下のサービスの統一決済サービス「Facebook Pay」の提供を米国で開始。国外では、インドやブラジルでWhatsApp Payに注力している。

 さらに、これらを統括する社内グループFacebook Financial(F2)を今年8月に発足させた。Libraの産みの親で、Noviの代表を務めるDavid Marcus氏が率いる。Libraはスケールダウンしたが、決済サービスには依然、強い意欲がうかがわれる。

 キーマンであるMarcus氏は、Diem発足では、意外なほどメディアに露出していない。Twitterで、こうツイートしているだけだ。

 「Libraは新しい名前になったが 使命はそのままだ」「Noviは、メンバーの一員として引き続きサポートしてゆく。そして、最高のウォレットを構築し、皆様のお役に立てることを楽しみにしている」