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クラウド後発のOracleが盛り返し? マルチクラウド管理にも参入

 Oracleのクラウド事業が好調だ。Zoomの獲得は大きな話題となったが、実際に直近の四半期では、クラウドERPが33%増となったSaaSのほか、IaaSも順調だ。この好業績の勢いに乗る形でIT管理プラットフォーム「Oracle Cloud Observability and Management Platform」を発表。マルチクラウド管理分野にも参入した。

マルチクラウドとオンプレミスを管理する新製品

 10月6日に発表したCloud Observability and Management Platformは、パブリッククラウドとオンプレミス上で動くワークロードのモニタリングができるクラウド管理製品だ。それ自体が同社のIaaSである「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」で動く。既存のモニタリングに、ログの収集や分析、データベース管理、アプリケーションモニタリングなどの機能を加えた「包括性」を売りとする。

 特徴は、機械学習を利用した異常検出、統一されたビューなどで、Slack、Grafana、PagerDutyなどとの相互運用性もあるという。

 同社ではクラウドの伸張で管理分野も再び活気付いている。この分野には、既にNew Relic、DataDog、AppDyamics(Cisco)などの製品があるほか、AWSやMicrosoftなどの競合するIaaSベンダー、さらにはHPE(Hewlett Packard Enterprise)、Dell Technologiesなどのハードウェアベンダーも製品を提供している市場だ。

 Oracleのバイスプレジデントとしてプロダクトマネジメントを担当するDan Koloski氏は、CRNにクラウド管理市場の盛り上がりを認めながら、「ポイントソリューションが増加しているが、これらはエンタープライズの課題を解決できない」と述べている。コンテナの台頭で、さらにハードルが上がっているとして、包括性のある自社製品の優位性をアピールした。