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クラウド後発のOracleが盛り返し? マルチクラウド管理にも参入

Zoomなどの顧客を獲得

 OracleはIaaS、SaaSともに出遅れた。共同創業者でCTOを務めるLarry Ellison氏が“アンチクラウド”だったことはよく知られている。「クラウドって何? いつこの馬鹿騒ぎは終わるんだ?」と言ったのは2008年のこと。だがその後、IaaSのOCIとSaaSの「Oracle Cloud Applications」へとクラウドに舵を切った。

 9月に発表した2020年6-8月期決算では、SaaSの一部であるOracle ERP Cloudの売り上げは33%増となった。顧客数は7000以上という。IaaSでは、新型コロナで時代の寵児となったZoom、そしてVoIPを使ったコミュニケーションアプリ8X8、McDonald'sなどがOracleをインフラに採用したことが大きな話題となった。

 ZoomはAWS、Microsoft Azureなど複数のクラウド事業者を利用しており、Oracleはマルチベンダー戦略の一環としての採用だが、8X8はAWSからの乗り換え事例として注目を集めた。

 そしてTikTok。中国ByteDanceからの取得を巡ってMicrosoftと戦っていたが、Microsoftは買収レースからの離脱を発表した。その翌日にOracleは、TikTokの“技術パートナー”としての役割を提案していることを明らかにした。

 CEOのSafra Catz氏は「クラウド関連全てがとても順調で、成長しており、規模が大きくなっている」とWall Street Journalに語っている。