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ますます進化するディープフェイク 生成されるコンテンツ

進化は止まらない

 ディープラーニングの生成技術は猛烈な勢いで進化している。

 The Vergeは6月29日付で、映画大手のDisneyが高解像度のディープフェイクモデルを開発中と伝えている。俳優の顔部分の差し替えを可能にするツールだ。2016年のスターウォーズ外伝「Rogue One: A Star Wars Story」では、20年以上前に死去したPeter Cushingや、若いCarrie Fisherが登場して観客を驚かせたが、こうしたことを可能にする。

 The Vergeによると、オープンソースのディープフェイクモデルとして広く使われている「DeelFakeLab」が256x256ピクセルなのに対し、Disneyのものは1024x1024ピクセルで大画面に堪えるという。

 Disneyは現在、顔の差し替えにVFX技術を使っているが、高価で時間もかかる。高解像度のディープフェイク技術が進めば、数時間で作成できるようになるという。「実際の制作に使われるのは時間の問題」(The Verge)という。

 一方、テキスト生成でも画期的な技術が出てきた。Elon Musk氏らが支援した非営利団体Open AIの最新言語モデル「GPT-3」だ。ベータ版APIの公開が7月に始まり、多くの開発者から、質問・回答の滑らかさや、文章からのコーディングの精度に驚きの声が上がっている。

 そんな中で、アルゼンチン出身の開発者Manuel Araoz氏が「OpenAI's GPT-3 may be the biggest thing since bitcoin(GPT-3はビットコイン以来の最大事かもしれない)」と題したブログを公開している。GPT-3の概要や、なぜブロックチェーンに匹敵するのか、その影響などについて解説した700語以上の記事だ。

 しかし、これはGPT-3が生成したものだという。Araoz氏が 自身のプロフィールや、タイトル、サマリーなどを与えて、自分の筆記スタイルになるまで何度か(10回未満)生成した結果だ。

 その質は極めて高く、機械が生成したテキストと見破ることは難しいだろう。

 人間を騙せる技術の進化は止まらない。