Infostand海外ITトピックス

MicrosoftはSkypeを“化粧直し” 新型コロナでビデオ会議サービス活発

 新型コロナ感染症によるテレワーク需要などからオンライン会議が爆発的に増えている。その中で先頭を切って人気を得たZoomはセキュリティ問題で非難を受け、利用禁止の動きにも直面。一方、ライバルたちはそれぞれ安全性のアピールや新機能で、急増するニーズに応えようとしている。

Microsoftが推すのはSkypeか Teamsか?

 Zoomには、無関係な第三者が乱入する「Zoom-bombing(Zoom爆弾)」や、不要な個人情報のFacebookへの送信、暗号化技術の扱いなど、次々と問題が発覚した。運営するZoom Video Communicationsは「すべての新機能の開発を中止し、セキュリティとプライバシー問題の解決を図る」(創業者兼CEOのEric Yuan氏)と発表。ユーザーをつなぎ止めようと必死になっている。

 しかし、組織ではZoomの使用を控える動きが相次いでいる。早々に禁止を決めたSpaceXやNASAに続き、ニューヨーク市が教育現場での使用を禁止。さらに、台湾政府もセキュリティ上の懸念を理由に組織内で使用しないことを決めた。ドイツ外務省やGoogleも同様の措置をとっている。

 こうした中、Microsoftは4月3日、Skypeの「Meet Now」を発表した。複数メンバーのビデオ会議を簡単に開始できる機能で、参加者もホストもSkypeアカウント(Microsoftアカウント)不要。専用アプリなしでブラウザからすぐアクセスできるのが特徴だ。無料でもあり、Zoomの代替として注目を集めている。

 Microsoftは、この分野では2017年にローンチしたコラボレーション・サービス「Microsoft Teams」を企業向けのビデオ会議として強力に推進してきた。

 実際、コロナ禍でTeamsの利用も急増している。4月6日付のブログでは、「データを広告目的に使用しない」「Teamsでのミーティング中に参加者がマルチタスクをやっている/注意がそれることを追跡しない」「サブスクリプションを解約したらデータを消去する」などのプライバシーポリシーを掲げ、Zoomとの違いを強調している。

 一方でSkypeにはZoom対抗の新機能を打ち出すことで、新しいイメージを与えた。同社は、新型コロナで沸騰したビデオ会議への需要に、TeamsとSkypeの両面で対応してゆくようだ。