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「AWS Nitro」対抗のチップ発表 CiscoのドリームチームPensando

競合するのはAWSだけではない?

 Amazonへの対抗をはっきり打ち出すなど、Pensandoは出だしから強気だ。

 実際、ステルスの期間中に、Oracle、Goldman Sachs、Equinixなどが共同開発パートナーとしてPensandoの技術を自社で採用する契約を結んでいるという。ほかに、Fortune 500の企業も参加しているようだ。Business Insiderによると、PensandoはMicrosoftとの関係構築も試みていたという。

 中でもHPEは、CTOのMark Potter氏が取締役会に参加するほどPensandoに肩入れしている。HPEは1年前にエッジに40億ドルを投じる計画を発表しているが、「エッジからクラウドまで分散された環境では、ゼロトラストセキュリティで最適化したシステムが長期的なゴールになる」として、Pensandoと共同で実現していくことを明らかにしている。

 IaaS市場で大きなシェアを持つAWSに真っ向から挑戦する格好だが、相手はAWSだけではない。古巣Ciscoとも競合する可能性がある、とBusiness Insiderは指摘する。

 理由としては、PensandoがCiscoに出資を求めなかったこと、Ciscoと競合するHPEとの関係、さらには「複数のレガシーアプライアンスが不要になる」という発表の文言などからが挙げられる。CNBCのインタビューでも、Chambers氏が「最初に影響を受けるのは、アプライアンスプレイヤー、サイロ化された製品を提供するプレイヤー、ファイアウォール、VPN、ロードバランサーなどだ」と述べるなど、Ciscoを浸食することを示唆している。

 半面、PensandoがCiscoのUCSサーバー(Cisco時代にMPLSが手がけた製品)と補完関係になると説明していることも紹介している。

 Venture Beatは「2020年に30%以上の企業が支店などでソフトウェア定義技術を利用する」(Gartner)、「SD-WAN(ソフトウェア定義型広域ネットワーク)市場は2022年にはSD45億ドル規模になる」(IDC)といった市場予測を引用しながら、Aryakaなどの新興企業が立ち上がっていることを紹介している。

 ドリームチームの再結成、Nitro対抗など話題たっぷりのPensando。どのように展開してゆくのだろう。