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自社開発プラットフォームを推進 クラウドに活路求めるHuawei

Intelの牙城に切り込み

 Ken氏が指摘する「統計モデルベースのコンピューティング」へのニーズについては、メディアも同意見だ。エンタープライズコンピューティングを専門とするDiginomicaはイベントレポートで、「Ken氏は、コンピューティングが新しいインテリジェントな世界に入ることを理解している」と賛同する。同時に、この戦略が、Intelが圧倒的な位置にあるサーバー向けプロセッサ市場に切り込むものとみる。

 Diginomicaは、Huaweiがプラットフォームとプロセッサレベルの両方の新しいアーキテクチャに研究開発の多くを注いできたことを挙げ、このイベントで「初の断定的なステップを歩み出した」と解説。その戦略は「Intel Xeon/Linux/Microsoftアーキテクチャのシステムからの脱却」を明確に主張したものだと位置づける。

 また、中国・上海メディアグループ系のオンラインメディアSixth Toneは、ムーアの法則との対比で解説する。

 OpenAIの2018年の報告書によると、最先端のAIアルゴリズムが必要とするコンピューティングパワーは、過去7年間、3.5カ月に2倍というペースで増えているという。ムーアの法則は「半導体の集積率は18カ月で2倍になる」であり、これ上回るピッチと言える。

 Ken氏は「ムーアの法則が限界に達しつつあり、業界が豊富なコンピューティング能力を安定的に低価格で提供するには、プロセッサ・アーキテクチャでのブレークスルーが必要だ」と述べている。

 Huaweiは2018年にAI戦略を打ち出し、今年8月、AIチップ「Ascend 910」とAIコンピューティングフレームワーク「MindSpore」を発表している。