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自社開発プラットフォームを推進 クラウドに活路求めるHuawei

クラウドでは中国市場で成長の可能性

 HuaweiはAtlas 900の発表の際、プロセッサビジネスは「直販はせず、クラウドサービスの形で提供する」と約束した。Atlas 900は、同社のパブリッククラウド「Huawei Cloud」のクラスタサービスとして提供する考えだ。

 このためHuaweiのクラウド戦略にも関心が集まっている。Huaweiは2017年のHuawei Connectでパブリッククラウド戦略を打ち出した。クラウド市場は世界では、AWS、Microsoft、Googleが先行。中国でもAlibabaを筆頭に急成長中で、これらのあとを追う格好だ。

 Huaweiの中国国内シェアはわずか5.2%に過ぎず、Alibaba、Tencent、 China Telecom、Amazonに続く第5位だ。だが、Sixth Toneは、可能性はあるとみている。

 重慶郵電大学の講師でアナリストのZhang Heng氏は、Huaweiのサーバーとデータセンターが中国本土にあるため海外展開には不利だが、国内では戦えると言う。Sixth Toneに対して「中国市場は大きく、Huaweiはコスト効率が良く、市場の地位がある。地元の政府、大学、研究機関、価格に敏感な企業は、Huaweiへの切り替えを検討する最初のグループになるだろう」と語っている。

 Huaweiはイベント中、「オープンなエコシステムを構築する」として、開発者プログラムに15億ドルを投じる計画も明らかにした。「500万人の開発者を支援し、世界中のHuaweiのパートナーが次世代のインテリジェントなアプリケーションとソリューションを構築できるようにする」と述べている。

 合わせて「AI Elastic Cloud Servers(ECSs)」など43種類ものクラウドサービスをローンチした。これら全てにAscendプロセッサが使われており、優れた処理能力によって、ECSsではAI推論、AIトレーニング、自動運転トレーニングなどの性能を引き上げられるという。

 米国による封じ込め政策の中、HuaweiはAIとクラウドで新しい道を切り開こうとしている。