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AT&Tの大型提携 5Gはクラウド事業者のチャンス

通信市場がクラウドの追い風に

 AT&Tは5Gに向けてインフラ整備を進めている。5Gは従来のモバイルネットワークとは異なり、NFV(Network Functions Virtualization)、SDN(Software-defined networking)などの仮想化が必要になる。

 Venture Beatは用途に合わせてネットワークのスライスを作成できる5G独自の特徴に触れながら、通信事業者が「コンシューマーに再販できる新しいサービスを構築するための環境を持たねばならない」とする。自社のネットワークの補完・拡張するサービスを加え、MicrosoftやIBMなどのパブリッククラウドを利用することが不可欠になるというのだ。

 逆に言うと、クラウド事業者にとって通信事業者の5G移行は、「利益の大きな、おいしい」市場と言える。GartnerのアナリストEd Anderson氏は「(通信事業者であるAT&Tは)Microsoftにとって良い顧客だ」とSDX Centralにコメントしている。

 Accentureの2018年の予測では、米国の通信事業者は今後7年間、通信ネットワークの構築に2750億ドルを投じるとみられている。またFierce Telecomによると、AT&Tは、2020年までにネットワークの75%を仮想化するとの目標を掲げている。

 この分野の動きは重要だろう。AT&TのライバルVerizonは2018年にAWSと提携し、優先パブリッククラウドパートナーにとすると発表している。クラウド事業者は優先を巡って、動きを活発化させていきそうだ。