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「Everything as a Service」 HPEのクラウド時代の生き残り策
2019年7月1日 11:21
サービス化でリードしてきたHPE
Discoverへのメディアの反応は悪くない。Venture Beatは「エンタープライズIT分野において、HPEは勇敢な宣言をした」と評価した。従来「高額なハードウェアと大型機器が売り上げを独占」してきた分野での挑戦になるとする。
当然、GreenLakeも現時点ではHPEのメーン事業ではない。だがHPEはGreenLakeに向けて準備を進めてきた。
HPEはPC事業であるHPを切り離した後も事業の削ぎ落としを進めたが、その中でサービスとコンサルタントとして「Pointnext」を立ち上げた。そして2017年、従量課金のための計測技術を持つCloud Cruiserを買収し、GreenLakeをローンチした。現在、Pointnextは、80億ドル以上の事業に成長しているという。
分社化に始まる一連の変革の引き金となったのが、クラウドであることは間違いない。HPEは「HP Helion Public Cloud」として展開していたパブリッククラウドからは撤退。一方でハードウェア側ではコンポーザブルインフラの「HPE Synergy」を提供した。
背景にあるのは、クラウドのメリット(簡単に導入できる、初期投資額が低いなど)をハードウェアベースでも全て実現しようという考えだ。2019年に入ってからは「Right Mix Advisor」として、正しいクラウドとオンプレミスの組み合わせを、ワークロードに応じて設計するというサービスも発表している。
こうした動きはもちろんHPEだけのものではない。サーバー、ストレージなどで争ってきたライバルDell Technologiesも、5月の年次イベントで「データセンター・アズ・ア・サービス」として「VMware Cloud on Dell EMC」を発表している。
だが、Data Center Knowledgeは、DellのサービスがVMwareにより運営され、ハイパーコンバージドの「Dell EMC VxRail」に限定されている点を指摘。一方のHPEはAzure Stackを含み、Google Cloudともハイブリッドクラウドで提携したことなどを対比させている。
Venture Beatも、HPEの優位とリードを認め、Dell、CiscoなどはGreenLakeレベルの計測技術は持ち合わせていないと指摘。「オンプレミスをベースとしたコンサンプションサービスという点で見ると、(HPEの)このレベルの洗練度は群を抜いている」とする。