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“企業向けクラウド端末”の「HoloLens2」 その向こうにある世界

主役はクラウド

 HoloLensハードウェアの進化は目覚ましいが、MicrosoftウォッチャーのMary Jo Foley氏は「このデバイスの真の物語は、中のソフトウェアと、接続される外部サービスにある」と解説する。

 同氏の情報源によると、HoloLens 2は最新の「Windows Core OS」(WCOS)を心臓部に採用する最初のデバイスの1つ。「初代HoloLensもAzureに接続は可能だったが、HoloLens 2は最初からクラウドおよびエッジ接続デバイスとして作られている」(Jo Foley氏)という。

 HoloLens2は単体のほか、サブスクリプションでも販売される。企業向けクラウドサービス「Dynamics 365 Remote Assist」(以下Remote Assist)とのバンドルで、3年契約は月額125ドル、1年契約は月額325ドルだ。

 Remote Assistは、Dynamics 365の追加機能で、現場担当者が見えている様子を遠隔の専門家に伝えて指示を仰ぐことができる。昨年の開発者会議で公表されたものだ。このとき、製品の実物大ホログラムを作成できる「Dynamics 365 Product Visualize」も紹介されている。

 HoloLens2発表の直前には、これらのAndroidやiOS端末向けアプリも発表された。モバイルで空間を共有することも可能になる。

 こうした機能は、それぞれDynamics 365の一部になる。Dynamics 365は2016年に発表したSaaS型の業務用アプリケーション製品シリーズで、基幹業務から販売情報管理まで、さまざまな業務をAzureベースで提供する。今年は「数百の新機能」を追加する予定で、特にAI関連の強化が進められている。

 HoloLens 2をサブスクリプションで導入するユーザーは、同時にDynamics 365を導入することになる。Jo Foley氏は、SurfaceがOffice 365の、Xboxが Xbox Liveのサブスクリプションサービスの端末であったことを挙げ、HoloLens2にはDynamics 365の端末としての意味があると指摘する。

 同社の売上に占めるサブスクリプションの比率は、既に旧来型のライセンスを上回っていると言われている。