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AIアシスタントは次の段階へ CESでGoogleが猛アピール

スマートスピーカーは実際、何に使われているのか

 CNETは、シェア争いよりも実際に使われることが重要だと指摘する。BBCは匿名のコメントとして「Alexaは何にでも統合されている。飽き飽きだ」「トイレを開けるのにAlexaに頼む気はしないね」などの業界関係者の声も紹介している。

 スマートスピーカーの使われ方に着目したrecodeの2018年11月の記事によると、1位が「音楽」(70%)、2位が「天気予報」(64%)だが、3位には実用よりも遊びの「面白い質問」(53%)が入っている。

 一方で、照明の制御などを行う「スマートホーム接続」は31%で11位。「ショッピング」も30%で12位にとどまっている。Googleのハードウェア担当プロダクトマネージャーのMicah Collins氏は「音声インターフェイスを使ってモノを制御することは、使い勝手の面で大きな問題を抱えている」とrecodeに、その難しさを認めている。

 だが、AIアシスタントがビジネス的に期待されているのは、まさにモノの制御の分野。スマートホームやスマートカーで、作業や買い物を引き受けてくれる“執事”になることだ。端末数だけでなく、使い勝手の向上は必須だ。

 CNETはGoogleの戦略として、Google Assistant製品担当バイスプレジデント、Manuel Bronstein氏の言葉「これまで不可能だったことを、可能にするよう支援する」を紹介する。その例が、2018年の「Google I/O」で披露した「Duplex」だろう。電話で予約に対応できるGoogle Assistantの機能で、人間と区別がつかないほど自然な受け答えをして参加者を驚かせた。

 Google Assistantは現時点でも、能力的にはライバルの先を進んでいる。ベンチャーキャピタルLoup Venturesが開発した各社のスマートスピーカーの知能テスト「Smart Speaker IQ Test」では、Google Assistant(Google Homeでテスト)の正解率は87.9%で、Alexa(Amazon Echo)の72.5%を大きく上回ったとインドの通信社IANSが伝えている。

 よりスマートなAIで逆転を狙うGoogleの戦略は成功するだろうか――。