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ロボットブームが再燃 クラウド開発環境が連続公開に

家庭用ロボットに注目

 今年4月、BloombergはAmazonが「Vesta」というコードネームで家庭用のロボットの開発に取り組んでいると報じた。カメラとコンピュータービジョン機能を備え、自動運転車のように室内をナビゲートすることができるとしている。事情に詳しい人物によると“モバイルAlexa”のようなものだともいう。

 このプロジェクトの責任者はLab126の社長のGregg Zehr氏だとBloombergは伝えている。Lab126は、Echoスピーカー、Fire TV、Fireタブレットなどを担当したハードウェアの研究開発部門で、倉庫ロボットを開発するAmazon Robotics(旧Kiva Systems)とは別の組織だ。

 さらに英Telegraphは11月17日付で、Amazonが極秘のデバイス新製品のための求人を出したと伝えた。100種を超える求人の中で同紙が注目したのは、機械工学とロボット工学の専門家の求人で、「コンシューマー製品として全く新しい」「愛らしい」など表現があることから、家庭用ロボットと考えられるとしている。また、こうした求人は4年前に同社がAlexaの開発スタッフを募集したときに似ているとも指摘する。

 Googleにも家庭用ロボットのうわさが浮上している。The Robot Reportは「GoogleがRyan Hickman氏のリーダーシップの下、Amazonの家庭用ロボットに対抗する製品を開発しているという複数の報告がある」と述べている。

 Hickman氏は以前、Googleでスマートフォン向けAR技術「Project Tango」を担当したあと、トヨタ自動車の米国研究所に移籍。2017年に家庭用ロボットを開発するスタートアップTickTock AIを創業したが、同社が資金難のため1年で破綻し、2018年6月からGoogleに戻っている。2011年のGoogle I/OでCloud Roboticsを語った主要人物の一人でもある。新しい開発プラットフォームにも深くかかわっているだろう。

 クラウド経由でロボットの制御を提供する「Robot as a Service」(RaaS)は、さまざまな産業を変えると期待されている。AWSのRoboMaker提供開始は他社に先んじて行われた形だが、ライバルもこれに続き、激しい競争になってゆくだろう。