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ロボットブームが再燃 クラウド開発環境が連続公開に

GoogleとMicrosoftの復帰

 Googleは10月下旬、開発中の「Cloud Robotics」プラットフォームを2019年に開発者向けに試用できるようにすると発表した。詳細は公表していないが、専用サイトによると、AIや機械学習を活用して「クラウドに接続された協調型のロボットを活用するための自動化ソリューションに、オープンなエコシステムを構築可能にする」という。専用サイトでは、アーリーアダプターの登録を受け付けているところだ。

 「複数のソースからのセンサーデータの処理」や「機械学習による物理世界の情報への洞察」といった説明から、AWSのRoboMakerと同じく、高度な情報処理能力を持つロボットを開発するプラットフォームであることは間違いない。また、言及はしていないが、基盤にはROSを採用していると考えられる。

 ROSは2007年にスタンフォード大学のプロジェクトとして生まれ、学生らが設立したスタートアップWillow Garageで初期の開発が進められた。その後、2012年に非営利団体の「Open Source Robotics財団」(OSRF)に移管。今日の姿に成長した。

 Googleは早い段階からROSにコミットしており、2011年の開発者会議「Google I/O」で、Willow Garageと協力してROSのJava実装を発表している。これは初期段階のCloud Roboticsの取り組みと言われている。

 一方、Microsoftも今年9月に開催されたROSの開発イベント「ROSCon」で、Windows 10でROSをサポートすると発表した。ROSの産業コンソーシアムに参加しながら進める。現段階では“実験的なもの”としているが、AzureのAI、機械学習などの機能をクラウドベースのロボットに利用できるようにする考えだ。

 これらの動きは、両社が「ロボティクスに復帰」するものとメディアではとらえられている。ロボット専門メディアのThe Robot Reportは、Googleが2013年に計8社のロボットスタートアップを買収しながら、2017年には最も有名なBoston Dynamicsをソフトバンクに売却したことや、Microsoftが2014年にロボティクス部門を正式に閉鎖したことを挙げながら、「両社が今度、ロボット開発者をターゲットに、どう対処していくのか見ていきたい」と述べている。

 こうした開発プラットフォームの話と同時に、家庭用ロボットの製品化も浮上している。