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ゲームストリーミング「Project Stream」発表 Googleの勝算は

技術以外の課題と可能性

 ビデオゲームの市場規模は1090億ドルに上るという。だがストリーミングゲームは、独特の技術的要求の厳しさから、なお本格展開に至っていない。2015年に本サービスを開始したソニー・インタラクティブエンタテインメントの「PlayStation Now」も、当初はPCに対応してなかったことや、月額19.99ドル(年99.99ドル)という高価格、魅力的なゲームタイトルの不在などから利用は増えていないという。

 そんな中で注目を集めているのが、Nvidiaの「GeForce Now」だ。クラウド側の強力なGPUで処理を行い、非力な端末でも楽しめるサービスだが、2017年1月にパソコンへの対応を発表したものの、まだベータ版で商用サービスには入っていない。The Informationは、ほかにLiquidSky、ParSecといったベンチャーが動いていることも紹介しているが、まだ市場の勝者はいない。

 ここにGoogleが参入すれば、そのインパクトは大きい。Ars Technicaは「もしGoogleがProject Streamに膨大なリソースを費やすつもりなら、同社はインターネットスタック全体を制御できる稀な企業の1つであり、何か特別なことができるだろう」と言う。

 Googleは、You TubeやGoogle検索といった世界有数の人気サイト、帯域を要するサイトを動かしている。YouTubeのゲーム向けセクション「YouTube Gaming」では低遅延の取り組みを進め、安全かつ高パフォーマンスなインターネットプロトコルSPDYの開発を進めている。

 だが、それだけでGoogleが勝てるわけではない。どれくらいの料金で、どんなタイトルのラインアップをそろえるかに大きく左右される。

 同時に、ストリーミングゲームは、広告に続く収益の柱を探し続けている同社(とりわけクラウド部門)にとって大きな意味がある。リードできれば、大きな収入減になる可能性があるのだ。

 Assassin's Creedという人気タイトルを得てのスタートは、幸先のよい第一歩だろう。