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企業の活用広がるチャットボット 利用シーンとその市場性

消費者も支持、課題はパーソナライズ

 チャットボットの企業サービスへの浸透の背景には、消費者の支持もある。Chatbots Magazineが米国とドイツの消費者を対象に実施した調査では、消費者も「問題を早期に解決できる」(53%)、「別のサービスやアプリを使う必要がなくて便利」(45%)、「記録が残る」(36%)などの理由でチャットボットを選んでいるという。

 この調査では、顧客に対応する時間は5分以内がベストであり、10分になる(5分長くなる)とコンタクトを失う可能性が10倍に増えるとしている。チャットボットによって待ち時間を解消し、顧客をつなぎ止めることができる。営業時間を気にすることもないし、「順番におつなぎします」というこれまでのキャパシティ制限も克服してくれる。

 では課題はどうだろう? AdWeekは「パーソナライズされた体験を提供できない」ことが弱みになるかもしれないと指摘する。あまりインテリジェントでないテンプレート型ボットの場合、「申し訳ありません。理解できませんでした」といったメッセージとともに、やり取りがループする恐れがある。

 またAdWeekは、ユーザー企業の立場から、どんなチャットボットサービスを選ぶべきかのチェックポイントを挙げている。「その業界の知識があること」「企業のメッセージを理解していること」などで、ブランドを理解し、傷つけないことが重要だという。

 システム面では、チャットボットが独立した製品なのか、EコマースプラットフォームやCMSに統合するタイプのものかにも注意するようAdWeekは助言する。実装時間を左右する要因となるからだ。

 GartnerのCIO調査では、企業の21%が「何らかの会話型インターフェイスを中長期的に実装する計画がある」と回答したという。一方で「既に実装済み」は4%に過ぎず、今後の増加が期待される。

 チャットボットを通して製品やサービスを購入することに対して、特に若い世代は肯定的だ。消費者自身の日常のコミュニケーションでチャットが大きな割合を占めるようになっている中、企業がチャットボット戦略を持つのは当然の方向だ。