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独走Amazonを止められるか? WalmartとMicrosoftの戦略提携

 Microsoftが小売の巨人Walmartと戦略的提携を結んだ。Walmartは、Microsoftのクラウド、AI、IoTの幅広い基盤を活用して世界中の消費者の買い物を変革し、従業員の働き方を効率化するとしている。小売業界では、Amazonと既存企業との対立が激化しており、同社にとっては手強い相手がタッグを組んだことになる。

Microsoftクラウドソリューションの全てを活用

 WalmartとMicrosoftの7月16日付プレスリリースによると、Walmartは「デジタル変革」を進めるにあたり、Microsoftを、優先的(Preferred)かつ戦略的クラウドプロバイダとして選択した。

 小売のデジタル化に加え、世界に200万人いるというセールス担当の情報武装、消費者のショッピング体験の改善――の大きく3つを進めるという。Azureクラウドで標準化するのに加え、生産性ではSaaSの「Microsoft 365」も採用する。契約期間は5年間。

 両社の技術者は今後、共同で既存のアプリケーションの移行を進める。その中にはWebサイト「Walmart.com」と会員制スーパー「samsclub.com」のAzure移行も含まれており、「クラウドを利用したチェックアウトにより、増加する顧客の需要に応え、これまで以上にグローバル市場にリーチできる」と期待を寄せている。

 新規開発としては、WalmartはAzureを利用してグローバルレベルでIoTプラットフォームを構築する。これによって、例えば米国のストア内の空調システムや冷凍ユニットを接続してエネルギー消費を抑えたり、サプライチェーンでのトラックのルート最適化に機械学習を適用することなどが可能になるとしている。

 さらに社員の働き方でも、Microsoft 365の「Microsoft Workplace Analytics」「Microsoft Stream」「Microsoft OneDrive」などのツールを導入してコラボレーション、生産性を強化する。インフラ部分への全面的なMicrosoft導入だ。