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独走Amazonを止められるか? WalmartとMicrosoftの戦略提携

 両社は提携の金額面については公表していない。ただWalmartは以前からMicrosoftの技術を利用しており、2016年にはMicrosoft技術を全面採用するEC企業のJet.comを買収している。今回の提携は既存の関係を拡大するもので、提携自体は“驚き”ではない。

 だが、Walmartは、200万人の従業員と1万の店舗を抱える小売の世界最大手だ。1日の売り上げが13億7000万ドルというから、クラウド業界に与えるインパクトは大きい。

 Forbesに寄稿した元OracleのCCO(最高コミュニケーション責任者)でアナリストのBob Evans氏は「世界で最も難しいワークロードの一部、それにIoTの可能性、新しい技術であるAI中心のプロセスに対応できるという点でMicrosoft Azureは定評があり、Walmartというブランド、そしてこのメガ取引の規模と範囲は、Azureの評判をさらに高めるだろう」とみる。同氏は「以前から世界で最も大きく、影響力のあるクラウド企業はAmazonではなく、Microsoftだと信じていた」と同社を高く評価している。

 実際、Microsoftが7月19日に発表した4-6月期決算では、クラウド部門の売上高が前期比23%増の96億ドルに達した。Azureの伸び率は89%に上る。

 Amazonは7月26日発表予定の四半期決算でAWSのクラウド売上を60億ドル超と見込んでいるが、Microsoftは既にこれを大きく上回っている。Evans氏はMicrosoftが「商用クラウドの四半期売上が70億ドルを超える最初の技術企業になる」との予測を披露していた。