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VMwareがDellを買収? 続くクラウド/コンテナ時代の模索

マルチクラウド戦略に遅れるDell EMC

 Teich氏がもう一つ指摘するのが、Dell EMCのマルチクラウドでの出遅れだ。企業は複数のパブリッククラウド、プライベートクラウドを使い分けるマルチクラウドを採用する傾向にあり、複数のクラウドを管理するソリューションに対するニーズが高まっている。

 既に、ライバルのHPE(Hewlett Packard Enterprise)は「HPE OneSphere」を発表している。IBMは「IBM Cloud Private」はクラウドネイティブ実装オプションを提供する。両サービスはともにKubernetesコンテナを基盤としている。

 一方で、Dell EMCはプライベートクラウドではRed HatのOpenStack、Microsoft Azure Stackに「差別化のない」依存状態であり、マルチクラウドソリューションもない。「逆買収によってDell EMCのプライベートクラウド及びマルチクラウドの投資戦略はVMware製品に落ち着くことになる」(Teich氏)といい、この動きは的を射ているとみる。「Dell EMCは市場での戦いで競合優位性を保つために、VMwareを活用する必要がある」とも述べている。

 Dellは2月2日、SEC(米証券取引委員会)に提出した書類で、取締役会で「既存の構造を維持する」「Dell TechnologiesのIPO」「VMwareとの企業結合」の3つを検討中であることを明らかにしている。なお、負債についてはEMCの買収完了後、約100億ドルを返済したと説明している。

 Dellは「営業利益が赤字で、巨額の負債を抱えるハードウェアカンパニー」(Stanford C. Bernsteinのアナリスト)と評されている。その問題は、EMC買収でも解決されなかったということだろうか――。