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二人のDianeでクラウド事業テコ入れ GoogleにDiane Bryant氏が参加

 Googleは、Intelでデータセンター事業を率いてきたDiane Bryant氏をクラウド事業のCOO(最高執行責任者)として迎えたと11月30日に発表した。Google CloudのCEOであるDiane Greene氏は公式ブログで、「この分野の経験と才能で、これ以上の人物は考えられない」と紹介している。Amazon、Microsoftに水をあけられたままのGoogleのクラウド事業だが、2人のDianeの役割は――。

Intelのデータセンター事業トップから移籍

 Diane Bryant氏は、Intelで30年以上勤めたハイテク業界のベテランだ。コーポレートバイスプレジデント、CIO(最高情報責任者)などの役職を経た後、直近までデータセンターグループに所属。比較的新しい事業である同グループを、売上高170億ドル規模(2016年)までに成長させた。

 データセンターグループはクラウドサービス事業者や通信サービス事業者などに向けたB2B事業で、サーバー向けチップを主力製品とする。Bryant氏の下で、ネットワーク仮想化、AIなどへも拡大しており、現在IoT、プログラマブルソリューションズなどと並んで、同社の“ポストPC時代”の戦略の柱となっている。

 FortuneはBryant氏のIntel時代のハイライトの1つとして、2014年にAWSの年次イベント「re:Invent」に登場し、IntelのカスタムチップがAWSのクラウドコンピューティング技術に使われていることを明かしたことを紹介している。

 こうした業績に加え、Bryant氏はFortuneの「最もパワフルな女性」の常連としても知られ、2016年は第44位にランクしている。女性幹部が多くないハイテク企業で2人の有名女性幹部を置いたGoogleは、その面からも注目を集めている。

 Bryant氏は「家族の個人的な事情」として、今年5月からIntelを休職していたが、これで復帰する可能性はなくなった。Intelは証券取引委員会に提出した書類でBryant氏の退社に触れており、退職金として450万ドルを支払っているという。