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仮想マシンのクラウド移行で火花 VMware・AWS連合とMicrosoft

 「オンプレミスからクラウドへ」はクラウドベンダーの大きなテーマだ。大企業の多くは、VMware仮想マシンをオンプレミスで稼働させ、重要なシステムを運用している。そのクラウド移行は大市場だが、スムーズに行うためには手厚い支援とサービスが必須だ。そこでライバルのAWSとMicrosoftが火花を散らしている。

「VMware Cloud on AWS」の完成

 AWSの年次イベント「re:Invent 2017」(11月27日-12月1日)では、コンテナ管理、VR/AR、サーバレスDBからAIまで、怒濤のような発表があったが、その先陣を切ったのがVMwareから発表された「VMware Cloud on AWS」の拡充だ。移行サービス「vMotion」の対応や、接続機能の強化などで、同サービスに必要なパーツが、これで全部出そろったと言える。

 オンプレミスで稼働しているミッションクリティカルなアプリケーションをクラウドに移行するのは大きな課題だ。これに対するVMwareとAWSの回答が、VMwareの仮想マシンスイート「vSphere」をAWS上で稼働させるVMware Cloud on AWSだ。2016年秋、業界を驚かせた両社の提携で発表され、今年8月に米国西部リージョンで初期提供が始まっている。

 関連サービスは、専用線接続サービスのDirect Connectへの対応、L2接続のサポート、ディザスタリカバリーのSite Recoveryなどで、サブスクリプションモデルによる割り引きも発表された。また、東海岸リージョンでのサービスも開始となった。

 クラウドプラットフォーム部門バイスプレジデントのMark Lohmeyer氏は、新しい移行製品はアプリケーションを、迅速に、ダウンタイムなしで移動するよう設計されており、価格も妥当と売り込む。TechCrunchは「その宣伝通りに動くならば、ITの両方の世界(オンプレミスとクラウド)に真にベストなものを提供できる」と評価した。また、The Registerによると、VMwareは「AWS上で動くVM仮想マシンはすぐに数万に達するだろうと」と語ったという。

 この新サービスの基盤になっているのが、AWSが開発したベアメタルインフラだ。