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iPhoneがAR普及の起爆剤に Appleの深謀遠慮

新iPhoneがARの真価を発揮する?

 ちょっと気になるところがある。ARKitのアプリは、確かに多くの既存のiPhoneで利用できる。一方で、今回の新モデルには新開発のAIチップ「A11 Bionic」が搭載され、iPhone Xには、Googleがあきらめた深度カメラ「TrueDepthカメラ」も(フロントのみだが)搭載されている。

 しかも、これらのハードウェアには「ARのためのカスタムチューンが施されている」と説明されている。そうなると、新iPhoneだけに対応するハイレベルのARアプリが出てくると考えるのが自然だろう。既存モデルで普及に火を付け、同時に新しいハードウェアで、より高度なアプリを提供してユーザーにアップグレードを促す――。そういう戦術のように見える。

 ユーザーとしては、今持っているモデルでは体験できない魅力的なアプリが登場すれば、iPhone 8やXが高価であっても買い替えたくなるのが人情だ。さらには同社が、スマートグラス型のARハードウェアを開発しているといううわさも何度も浮上している。このARプラットフォームがどこまで行くのか、注目したい。